鉄筋のあきと間隔について

どうもimotodaikonです。

今回は、RC造の鉄筋間隔・あき寸法について考えます。

 

鉄筋同士の必要あき寸法はいくつか

鉄筋と鉄筋は、ある程度のあきをもって配筋する必要がある。コンクリートはセメントと水と砂(細骨材・粗骨材含む)と各種混和剤(減水材等)によって構成されている。特に粗骨材は、最大粒形が25mm程度のものを使用する事が多く、鉄筋間がきつきつだと粗骨材が通らずコンクリートが分離してしまう。よって、鉄筋を並べるときはある程度の距離を取って配筋する必要がある。

 

鉄筋の必要あき寸法は以下の図の通りである。

 

 

 

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鉄筋の必要あき寸法

 

 

あき寸法は、①25mm以上かつ②粗骨材最大径の1.25倍以上かつ③鉄筋の呼び径の1.5倍以上のいずれも満たす必要がある。つまり、①~③の最大値を取ればよい。

 

例えば、鉄筋径が16mmの場合を考えよう。

粗骨材の最大径25.0mmとしたとき、この時点で①ははじかれる。考えなくて良い。

 

それ以外の条件について見ていくと、

②に当てはめると、25.0mm*1.25=31.25mm。

③に当てはめると、16.0mm*1.5=24.0mm。

②>③より、31.25mm→丸めて32.0mm以上の空き寸を確保すればOKという事が分かる。

ちなみに、粗骨材を25mmとした場合、鉄筋径が19.0mmまでなら②で、22.0mm以上は③で決まる。(22.0mm*1.5=33.0mm>25*1.25=31.25mm)

これを覚えておくだけでも設計が少しは楽になる。

 

鉄筋間隔について

では鉄筋間隔は何なのか考えたいのだが、上の図を見たまんまで、鉄筋の芯々間隔を"鉄筋間隔"と呼ぶ。

鉄筋間隔の計算方法は簡単で、必要空き寸法に鉄筋の外径(呼び径ではない点に注意)を足したら終わり。

 

例えば、上の例で挙げた鉄筋径が16.0mmの鉄筋間隔は、32.0mm+18.0mm(外径)=50.0mmである。

 

外径ってなんなの

そもそも鉄筋には、"呼び径"と"外径"の二つの呼び名がある。これらの違いはなんなのか。今の時代、鉄筋と言えば異形鉄筋が頭に浮かぶ人も多いはずだ。むしろそれ以外見たことないって人もいるかも。異形鉄筋というのは、鉄筋の周りに節が付いた鉄筋を言う。

 

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異形鉄筋

 

上図を見たら分かる通り、鉄筋の周りに節が付いていて、縞々に見える。こいつが異形鉄筋。異形鉄筋を断面で見た時の左の節の先端~右の節の先端までの距離を"外径"と呼ぶ。尚、構造設計では、異形鉄筋以外使わない。

異形鉄筋の節の役割は、コンクリートとの付着力を高める事である。コンクリートとの付着力を高めると良い事は、簡単に鉄筋がコンクリートから抜け出さなくなる事だ。RC造は、コンクリートと鉄筋が一体だからこそRC造なのであって、それぞれが分離してしまうと、本来の持つ力を発揮できない。

 

構造設計では異形鉄筋以外使わないと書いたが、昔は異形鉄筋以外を使うのが主流だった。異形鉄筋のように節のない鉄筋を丸鋼と呼び、こいつを使っていた。鉄パイプの小さい版みたいなやつ。

 

 

鉄パイプ 農業・建設資材の写真

 

丸鋼(画像は鉄パイプ)

 

(画像検索かけても丸鋼が出てこないので鉄パイプの画像を使用。でも見た目はこんな感じ)

 

丸鋼なら、呼び径も外径も同じなので迷う事はないのだが、今の主流は異形鉄筋だ。異形鉄筋の外径は、よく使う径であれば大体呼び径+2.0mm~4.0mm程度である。

 

 

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外径と呼び径

 

鉄筋間のあき・鉄筋間隔の知識は、図面を描くときに必須

上で書いてきた、鉄筋同士必要あき寸法、及び間隔を知っておくことは図面を描くうえで非常に役に立つ。というか知っておかないと描けない。特に杭頭補強筋と基礎梁主筋、柱主筋との納まり図のような、雑詳細図を描く場合は必須だろう。

 

他には、壁厚の薄い壁にいくつの径までなら納まるかとか(梁幅の小さい梁でも同じ)、梁幅に対して何本並ぶかとか(ポケットブックおススメ),計算に関わってくる内容でもある。

 

 

 

 

今回は鉄筋の必要空き寸法と鉄筋間隔について考えました。

今回はこの辺で。ではまた。