集中荷重を受けるスラブの検討

どうも。 今回は、集中荷重を受けるスラブの設計について。 スラブ中心に集中荷重を受ける場合の計算法 RC基準より、スラブ中心に集中荷重を受ける場合の周辺固定スラブ(四辺固定版)の検討方法が示されています。 RC基準2010年版P.101より、 (2)スラブ中心に集中荷重P…

梁貫通孔の検討

今回は梁貫通孔の検討をやってみます。 大まかな設計条件のまとめ 設計条件を下記に示します。 ①梁断面bxD=450mmx950mm ②Fc=27N/mm2 ③梁の内法長さLo=5200mm ④貫通孔径φ=250mm(950/3≒316.6>250:OK)←貫通孔径は、梁成の1/3以下である事 ⑤貫通孔の鉛直方向位置…

梁貫通孔の位置の規定について

梁貫通孔とは 梁に設ける貫通孔の事。設備配管などを通すための孔です。ちなみに柱に貫通孔を設けることはありません。RC造の場合だと、梁のほかに外壁や床版に孔を空けることがあります。 鉄骨梁の貫通孔 梁端部には設けていない 梁貫通孔の位置の規定 配管…

二層地盤の検討

今回は二層地盤の検討をやってみます。 二層地盤の検討とは 直接基礎、杭基礎に関わらず、支持層はある程度堅い地盤(砂質土、砂礫層等)にします。これは堅い地盤程N値が大きく、支持力がとりやすい事に起因しているのですが、仮に支持層の下部に軟弱な粘土層…

コンクリートのスランプ値について

RC

どうも。今回はコンクリート工事のスランプ値について考えます。 スランプとは スランプとは、コンクリートの流動性を示す指標の事です。スランプ値が大きいほど流動性が高く、コンクリートが分離することなく型枠内に密実に充填することができます。このコ…

パラペットの剛性は考慮するべきか

どうも。今回はパラペットの剛性をすべきか否かについて考えます。 パラぺットには硬さがある ここでいうパラペットはあくまでRCのパラペットですが、剛性計算においてパラペットを考慮するか、しないかによって計算結果が大きく変わってくる場合があります…

構造スリットと振れ止め筋

今回は振れ止め筋の検討について。 振れ止め筋とは 例えば3方スリットを切った場合の外壁は、外壁と柱梁の縁が切れている状態であり、地震に抵抗する要素がないためフラフラの状態である。(ただし、壁縦筋は上階の大梁内に定着されているので、1辺は固定端と…

壁付き柱と建物の崩壊について

どうも。今回は壁付き柱と建物および柱の崩壊について。 壁付き柱とは まず、壁付き柱というのは、壁がついた柱の事である。例えば下図のようなもの。 柱梁に囲まれた外壁 基本、外壁は柱と梁に囲まれている。壁は剛性が高いので、柱への悪影響を抑制するた…

柱脚の検討をやってみる②ベースプレート・アンカーボルトの検討

どうも。今回は前回に引き続き、柱脚の検討を行います。 ベース・アンカー検討(前回の続き) ベースプレートの検討①-引張- (1)アンカーボルトの引張降伏耐力全塑性耐力の計算 まずはベースプレートの引張力に対する検討から。以前の記事で扱ったんですが、アンカーボルトの引張降伏…

柱脚の検討をやってみる①(設計条件まとめ~中立軸計算まで)

どうも。今回は柱脚の検討を最初から最後までやってみようと思います。 計算内容は黄色本の例題1に倣います。(2015年版P.638~) 設計条件をまとめる まず、設計条件をまとめる。 柱脚設計条件 ①設計応力について まず、柱脚部に生じる長期応力と短期応力をま…

耐風梁は縦使い、横使いどっち?

どうも。今回は耐風梁の方向について考えます。 耐風梁とは まず耐風梁の定義について、耐風梁は名前の通り、風を受ける梁の事である。下図の横に走っている梁が耐風梁。 開口上に耐風梁 外壁材が縦張りの場合は、基本横胴縁を入れる。逆に横張りの場合は、…

ベースプレートの検討(アンカーボルトの引張降伏耐力に対する検討)

どうも。 今回はベースプレートの板厚計算方法について考えます。 ベースプレートの板厚の検討方法 ベースプレートの必要板厚の計算方法には以下の2通りある。 ①圧縮側の検討 ②引張側の検討 ①圧縮側の検討は、柱脚に曲げモーメントが生じた時の圧縮側の検討…

露出柱脚の中立軸・回転剛性の求め方

今回は、露出柱脚の中立軸、回転剛性(回転ばね)の求め方について考えます。 回転剛性は曲げに対する抵抗力(剛さ)の指標 既製品の柱脚、例えばハイベースだったりベースパック等の場合、柱サイズによって採用できる規格が決まっており、ハイベースならセンク…

水平ブレースの検討

水平ブレースの検討をやってみる 今回検討する建物 上図のような建物の水平ブレースの検討をしてみる。 設計条件は以下とする。 ①桁行方向は各柱間6mスパンの全長36m。張間方向も同じく6mスパンの全長24mとする。 ②建物外周の節点は柱を示す。尚、張間方向の…

令和4年度一級建築士試験 Ⅳ構造問題について

どうもimotodaikonです。 今回は、本年度一級建築士試験の"Ⅳ構造"問題について考えます。 気になった問題①問No.17 まず、問No.17について。 個人的にこの問題意地悪だなあと思った。私は選択肢1を選んで間違えたんですが皆さん解けましたか。 消去法で2と4は…

令和4年度一級建築士学科試験について

どうもimotodaikonです。 今回は、先日行われた令和4年度一級建築士試験について書きたいと思います。 令和4年度一級建築士試験の難易度は? 今年の一級建築士試験の難易度は、大手資格学院の評価によると、過去二年に比べて優しくなり、各科目の足切りは過…

許容曲げ応力度の計算(エクセル)

・許容曲げ応力度の算出 fb=max[89000/(ℓb*h/Af),{2/3-4/15(λb/Λ)^2}*F] ※ただしft以下 fb=IF(MAX(89000/(C9*C5/C8),(2/3-4/15*(C11/C3)^2*C2))>C2/1.5,C2/1.5,MAX(89000/(C9*C5/C8),(2/3-4/15*(C11/C3)^2*C2))) 毎回エクセル組むのだるいんで覚書。 上の画…

定着長の規定について考える

どうもimotodaikonです。 今回は、RC造における鉄筋の定着長について考えます。 定着長とは何か 定着長とは何か。RC造は鉄筋とコンクリートによって成り立っているが、鉄筋及びコンクリートがしっかりと体をなしている(お互いにちゃんとくっついてる)から本…

設計ルートと付着割裂破壊の検討について

どうもimotodaikonです。 今回は、設計ルートと付着割裂破壊の検討についての記事。 設計ルートに関わらず付着割裂破壊の検討はしないといけないのか? 答えはyes。設計ルートが1だろうが3だろうが付着割裂破壊の検討は行わなければならない。実は私も最近知…

鉄筋のあきと間隔について

どうもimotodaikonです。 今回は、RC造の鉄筋間隔・あき寸法について考えます。 鉄筋同士の必要あき寸法はいくつか 鉄筋と鉄筋は、ある程度のあきをもって配筋する必要がある。コンクリートはセメントと水と砂(細骨材・粗骨材含む)と各種混和剤(減水材等)に…

柱梁接合部の必要帯筋比は0.2%か0.3%か?

どうもimotodaikonです。 今回は、柱梁接合部の帯筋比について考えます。 柱の帯筋比の規定値は0.2%以上 RC基準に細かい事は書いてあるが、帯筋比は0.2%以上となるよう配筋しなければならない。同じくせん断補強筋であるあばら筋についても同様。0.2%以上…

鉛直震度について考える

どうもimotodaikonです。 今回は鉛直震度について考えます。 鉛直震度とは 鉛直震度は、上下方向、3次元をXYZ方向で表した時のZ方向に、突出した部材に局部的な力が掛かる事を言う。そして、突出部は鉛直震度を考慮したうえで断面算定を行わなければならない…

突出部の検討について(屋外階段の検討)

どうもimotodaikonです。 今回は、屋外階段の突出部に対する検討について考えます。 屋外階段も突出部に該当する 以前記事にしたEVと同様、建物本体から外部に出ている部分(かつ本体と接続している部分)は突出部に該当する。今回扱う屋外階段も突出部である…

突出部の検討について②(EV壁の検討)

どうもimotodaikonです。 今回は、EV突出部の検討_(EV壁の検討)について。 EV突出部の検討にはEV壁に対する検討が必要 前回、EV突出部の検討で取り扱ったのは、ある階の負担するEV壁重量に対して、突出部に対する地震力(水平震度K=1.0)を加えて、EV壁を支持…

かぶり厚さについて

どうもimotodaikonです。 今回は、鉄筋コンクリート造におけるかぶり厚さについて考えます。 かぶり厚さとは かぶり厚さとは、コンクリートの縁から柱であればフープ外縁、梁であればスターラップが外縁まで、壁であれば縦筋及び横筋、スラブであれば主筋及…

杭基礎のねじり応力について考える

どうもimotodaikonです。 今回は、杭基礎のねじり応力について考えます。 杭基礎に生じるねじり応力 杭基礎、特に2本杭の場合はねじり応力の検討が必要になる。例えば下図のような2本杭の場合を考えてみる。 尚、下図は 「大阪府構造計算適合性判定詩的事例…

突出部の検討について①(EV周辺部材の検討)

どうもimotodaikonです。 今回は、突出部の検討について考えます。 突出部の検討②(EV壁の検討)は以下↓ imotodaikon.hatenablog.com 突出部の検討について 今回考えたいのは、RC造のマンションなどでよく見られる、EVや階段等の突出部の検討方法について。今…

構造設計における支点について考える

どうもimotodaikonです。 今回は構造設計における支点について考えます。 支点とは? 構造設計には支点というキーワードが存在する。支点がないと建物は成り立たないし、小梁や間柱等の二次部材も設計できない。支点は、部材が受けた力が行き着く場所の事だ…

鉄骨梁のレベルについて

どうもimotodaikonです。 今回は鉄骨梁のレベルについての記事。 梁天端レベルと構造図 図面を描くうえで欠かせないのが、梁天端のレベルだ。梁のレベルが決まっていないと、軸組図も描けないし、伏図にも梁の天端レベルを示す事ができない。よってレベル関…

トラス梁の設計

どうもimotodaikonです。 今回はトラス梁の設計方法について考えます。 トラス梁の概要↓ imotodaikon.hatenablog.com トラス梁の設計方法について トラス梁は弦材とラチスを組み合わせて作る組み立て材である。弦材はアングルやCT(カットティー)、ラチスはア…