コンクリートのスランプ値について

どうも。今回はコンクリート工事のスランプ値について考えます。

 

スランプとは

スランプとは、コンクリート流動性を示す指標の事です。スランプ値が大きいほど流動性が高く、コンクリートが分離することなく型枠内に密実に充填することができます。このコンクリート流動性の事を"コンシステンシー"と呼びます。

 

似た用語に"ワーカビリティ"というものがありますが、これはコンクリートの作業性能を表す用語です。

 ワーカビリティーは、コンクリートの練混ぜから運搬、打込み、締固め、仕上げまでの一連の作業に関するコンクリートの施工特性を表すものであり、判定の基準は、構造物の種類や施工箇所、施工方法によって異なる。このため、ワーカビリティーは「良い」、「悪い」、「作業に適する」など、定性的かつ相対的な評価となる。

(日本コンクリート工学会_コンクリートの基礎知識より)

 

コンクリート流動性が高いと型枠内の隅々までコンクリートが行き渡りますが、流動性を高めるためより多くの水分を含ませているため(単位水量が多いため)、

・コンクリート硬化後の乾燥収縮が大きい

・ブリーディングが生じやすい

(コンクリート打設時にコンクリートが分離する、骨材が過度に沈下してコンクリート上面に水が浮き上がる現象。結果、ひび割れる)

・粗骨材が分離しやすくコンクリートとの一体性が失われる可能性がある

等の弊害を招く事があります。

 

スランプ試験

スランプ値を計測するためには、スランプ試験を行う訳ですが、実際に試験方法を下記に示します。

 

スランプ試験の流れ

 

スランプコーンという容器に"フレッシュコンクリート"(硬化前のコンクリの事)を入れ、その後一気に引き抜きます。フレッシュコンクリートはドロドロなので、自重で沈下・広がります。スランプコーン天端~フレッシュコンクリート天端までの寸法をスランプ値として計測します。計測のタイミングはミキサー車が現場にレミコンを運搬してきてから型枠内に打設する前。

 

特記なき場合のスランプ値

構造図に特記の無い場合のスランプ値は、

・基礎,基礎梁→15cmまたは18cm

・その他部材→18cm

とします。

下記にコンクリートの種類、粗骨材最大粒形等による呼び強度とスランプ値の関係性を示しますが、最小5cm、最大21cmと意外に幅がある事が分かります。スランプ値5cmって大分硬いと思うんですが、どういった場面で使うのこれは。

 

各種レミコンのスランプ値・呼び強度・粗骨材最大径との関係

 

今回は以上です。