どうもimotodaikonです。
今回はRC階段の設計について考えます。
片持ち式階段については以下参照ください。
RC階段とは?
RC階段とは文字通り、鉄筋コンクリート造の階段の事である。マンションやアパート等の屋内、屋外階段でよく見かける。このRC階段には、形状が大きく分けて二通りある。それが、スラブ式階段と片持ち式階段である。
スラブ式階段とは?
今回は、スラブ式階段について考える。スラブ式階段とは、両端を壁や梁で支持した階段の事である。例えば下図のような階段が該当する。
スラブ式階段
上図は階段の主筋(Y軸方向)を階段上下のW15に定着させて、壁で支持したスラブ式階段である。
階段の鉄筋の定着先と支持部材(壁)
スラブ式階段は、一般に(設計事務所によるかもしれないが)階段を両端固定梁として計算する。上でも書いたように、階段を支持する部材は、壁でなくても梁でも構わない。要は、階段の上下り方向を有効に固定(定着)できていれば良いという事になる。では、実際に計算例を示す。
スラブ式階段の設計
スラブ式階段の設計では、材端及び中央の検討を行い、必要鉄筋量を算出する。尚、必要鉄筋量は単位m当たり(1m当たり何本必要か?)にて求める。
階段詳細(蹴上、段板、スラブ厚)
階段の蹴上寸法a及び踏面寸法bは、250mmとして設計する。また、スラブ厚tは150mm(踊り場も同様)とする。段部の有効成Dはt√(a^2+b^2)/2+a/2
t√(a^2+b^2)/b+a/2にて求める。この計算式は、【実務から見たRC構造設計】より引用した。詳しくは以下参照。(上野さんの書籍は、実例を交えて解説してあるので非常に分かり易いのでお勧め)
では実際に設計してみる。
計算内容は単純で、両端固定梁に等分布荷重が加わった時の材端、中央曲げモーメントを求め、その曲げモーメントに対して必要鉄筋量を求めればよい。必要鉄筋量はMa=at*ft*jを変形し、at=M/ft*jにより計算できる。
【※単純梁とした場合の設計】と題して計算したのは、上記の計算だと端部の固定度が1.0、つまり完全固定であることを条件としているが、実際に完全固定の場合は考えにくいので、単純梁として計算して配筋を決定しておけば、端部鉄筋、中央鉄筋どちらについても安全側の評価となるからである。
単純梁として設計しなおすと、中央部は両端固定梁の時にD13@200でOKだったものがNGとなるので、ピッチを@200→@150に変更した。
今回の計算では、計算を簡単にする為に両端固定梁と単純梁の2パターンで検討した。私は適判にはこの計算方法で毎回提出しているが、特に突っ込まれたことはないので、他の設計事務所も大体同じような計算方法を取っているのではないでしょうか。(少なくとも間違いではないよね。)
今回はスラブ式階段の設計について考えました。
次回は片持ち階段を考えます。
ではまた。