どうもimotodaikonです。
今日はH形鋼の断面性能の算出方法について触れていきます。
規格化されたRHなどは、JFEスチールや日鉄住金の断面性能表を見れば簡単に分かりますが、それらの数値の導き方を知っておくことも大切だと思います。
比較的設計で使うRH-500x200で各種断面性能を算出していきます。
部材 H-500x200x10x16x13(H x B x tw x tf x R)
1.断面積の算出
①フランジ
A1=Bxtfx2
=200x16x2
=6,400mm2
②ウェブ
A2=H-(tfx2)xtw
=500-(16x2)x10
=4,680mm2
③R部
A3=(1-π/4)xR^2x4
=(1-π/4)x13^2x4
=145.07mm2
よって
A=A1+A2+A3
=11225.07mm2
2.R部の重心位置の算出(断面二次モーメント算出に用いる)
e=(5-3/2π)/{6x(1-π/4)}xR
=(5-3/2π)/{6x(1-π/4)}x13
=2.90mm
e1=R-e
=13-2.904
=10.10mm
3.断面二次モーメントの算出_X軸
Ix=BxH^3/12-(B-tw)x(H-tfx2)^3/12+A3x{H/2-(tf+e)}^2
=200x500^3/12-(200-10)x(500-16x2)^3/12+145.07x{500/2-(16+2.90)}^2
=468113068.60mm4
4.断面二次モーメントの算出_Y軸
Iy=tfxB^3/12x2+(H-tfx2)xtw^3/12+A3x(tw/2+e)^2
=16x200^3/12+(500-16x2)x10^3/12+145.07x(10/2+2.90)^2
=21381395.88mm4
5.断面二次半径の算出_X軸
ix=√(Ix/A)
=√(468113068.6/11225.07)
=204.21mm
6.断面二次半径の算出_Y軸
iy=√(Iy/A)
=√(21381395.88/11225.07)
=43.64mm
7.断面係数の算出_X軸
e1=H/2
=500/2
=250mm
Zx=Ix/e1
=468113068.6/250
=1872452.27mm3
8.断面係数の算出_Y軸
e2=B/2
=200/2
=100mm
Zy=Iy/e2
=21381395.88/100
=213813.96mm3
9.ibの算出
ibは圧縮フランジと梁せいの1/6から成るT形断面のウェブ軸回りの断面二次半径より算出します。
①断面積の算出
①フランジ
A1'=Bxtf
=200x16
=3,200mm2
②ウェブ
A2'=(H/6-tf)xtw
=(500/6-16)x10
=673.33mm2
③R部
A3'=(1-π/4)xR^2
=(1-π/4)x13^2
=36.27mm2
よって
A'=A1'+A2'+A3'x2
=3945.87mm2
②断面二次モーメントの算出_Y軸
Iy'=tfxB^3/12+(H/6-tf)xtw^3/12+A3’x(tw/2+e)^2x2
=16x200^3/12+(500/6-16)x10^3/12+36.27x(10/2+2.90)^2x2
=10688808.29mm4
③ibの算出
ib=√Iy'/A'
=√10688808.29/3945.87
=52.05mm
10.サンブナンのねじり定数
サンブナンのねじり定数は、材に生じるねじり応力に対する断面性能です。
J=1/3x{2Btf^3+(H-tf)xtw^3}
=1/3x(2x200x13^3+(500-16)x10^3)
=454266.67mm4
11.曲げねじり定数の算出
許容曲げ応力度(新基準)算出時に用いる断面性能です。
Iw=Iyx(H-tf)^2/4
=21381395.88x(500-16)^2/4
=1.25x10^12mm6
12.単位重量の算出
W=Ax7850/10^6
=11225.07x7850/10^6
=88.12kg/m
ニュートン換算すると
Wx9.80665=864.13N/m
手計算で断面性能を計算するときは、R部など無視すると思います。
計算が面倒ですし、そちらの方が安全側の設計になるので。
今回はR部も考慮して断面積・断面二次モーメント・断面係数を算出してみましたが、個人的にも勉強になったなと感じました。
特に離れた軸についての断面二次モーメントの算出式を覚えておくと役に立つことが多いです。
この機会に覚えておくとよいと思います。
ちなみに今回参考にした計算方法が記載されている参考書のリンクを張っておきます。
今回はこの辺で。
ではまた。
- 作者:浅野 清昭
- 発売日: 2011/11/15
- メディア: 単行本